今日は。普段、最新の洋楽はもちろん邦楽も昔から殆ど聴かないので事情にさっぱり疎いKyrillです(前置き長すぎ)。そんな私にとある方が「坂本冬美は良いですよ」と紹介して下さいました。毎年、紅白歌合戦も殆ど見ないので歌を聴いたことはなかったのですが、じゃあお薦めアルバムを…ということで教えていただきました♪

「Love Songs」坂本冬美


ラブソングのカバーアルバムという本作ですが、歌唱力と表現力は演歌歌手ならではのすばらしさ。しかも技巧を前面に出すのではなく、抑制された歌い方や、微かなかすれや間で微妙な心情を表現していました。しかも収録曲が歌謡曲(死語?)知らずの私でも知っている作品ばかりなので、「かつての若者」だった私のツボにはまりまくり。にわかに冬美嬢のファンになりました。

アルバムの中で個人的に一番良かったのは「大阪で生まれた女」。なんと前奏から終わりまでパッフェルベルのカノンがバックに流れています。それがまた歌詞の内容にぴったり合っていて、相乗効果で切なさ感増量。これって、グノーがバッハの平均律第1巻第1番の前奏曲を伴奏に用いて「Ave Maria」を作曲して以来の出来事かも知れません。

バッハ以前のバロックはどちらかというと淡々と美しく書くのが普通で、それをバッハが初めて感情面をストイックに強調するようになった、「いわゆる『泣ける音楽』の始祖はバッハだったのだ!」と「大作曲家たちの履歴書」上巻で三枝成彰氏が主張しておられましたが(同感であります!)、「大阪で生まれた女」と「パッフェルベルのカノン」のコラボは、「カノン」の淡々とした美しさといいますか、どちらかというと現世の向こう側を見つめているような曲調が却って曲中で歌われている「大阪で生まれた女」の心情を実に上手くなぞっています。

「大阪で生まれた女」はBOROの1979年作詞作曲で、当時歌ったのは萩原健二。それ以来数多くの歌手がカバーしています。先ほど調べてみましたら、原曲はなんと18番まであり(!)演奏時間は33分という大曲で、カバーされている作品はいわゆるダイジェスト版とのことですが、歌詞が短い分だけ聞き手の想像力をかき立てずにはいられない佳曲です。「ディスコ」「裸電球」など平成生まれの世代にとってはある意味謎めいた単語が出てきますが、2010年現在35歳以上の方あれば「遠い目」になること必至です。

私がこの曲を初めて聴いたのは、以前勤めていた会社の忘年会で大阪出身の後輩がカラオケで歌った時だったのですが(完全バージョンではない方で)、その彼女もどこか儚げな雰囲気があったので印象的でした。私がその会社を退職してから数年して、彼女も転職したと風の便りに聞きましたが、今頃どうしているかな。

なお、YouTubeで動画を探してみましたが、坂本冬美バージョンは(省略版の)フルコーラスが入っていない模様でした。前述のように「大阪で生まれた女」を最初に聴いた時から今でも忘れられないのは最後の連で、「大阪で生まれた女」大阪を出て行くくだりなのですが、私が見た動画では時間の都合かラストのこの部分が省略されておりました。個人的には、ここが一番の泣き所だと思っているので残念です。

「Love Songs」に話を戻しますと、収録曲の中では「なごり雪」「言葉に出来ない」も良かったです。今年は雪も多いですし、そろそろ卒業シーズンなのでタイムリーかも。

ご参考リンク:
坂本冬美 大阪で生まれた女


J.S. Bach / Gounod - Ave Maria, Linda Brava
クラシックの演奏家史上初めて「Playboy」の表紙に登場するという快挙?を成し遂げたフィンランド出身のBrava嬢、クリップも殆どプロモビデオなゴージャス美女です。

Pachelbel Canon in D Original Instruments
古楽器による原典版演奏。クラシック音楽の中では誰もが知っている定番中の定番ですが、改めて聴くとやはり良いです。

Lee Galloway Piano (Sample Repertoire)
Wikipediaのリンクから見つけたLee Gallowayの編曲による「カノン」のピアノソロ編曲版。こちらも美しいです。他にもGalloway氏による編曲が試聴出来ます。


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